コミケの理想と現実:ネタばらまき
夏コミお疲れ様でした。
C91は先ほど決済を済ませてきました。これで参加できたらいいな……
ってわけで、色々思うところから、理想と現実の2つの話を。
徹夜組問題
まずは理想サイド。
- コミケ準備会は徹夜を禁止している
徹夜禁止の話については、最終的にはこの1点に収斂せざるを得ないのかなぁ、と。
もちろん地元住民との関係性とかも語られてはいますし、なにしろ徹夜の規模が他イベントとは段違いってのがありますが、地元が「こういうのは気に入らない」と思っていることに直接的に力を与えてしまうと表現規制とパラレルな流れになりますので、そういうアプローチで話をもっていくのはちょっと危険そう。
そして現実サイド。
- 徹夜しないと手に入らないモノがある
- 徹夜が楽しい
- 徹夜を認めるために必要なリソースはどこからも手に入らない
1, 2は徹夜する側の現実, 3は準備会側の現実。準備会は必死で(1)への対応を取ろうとしてますが、2はもはやどうにもならないんですよね。2を解決しようとすると3を解決して徹夜を認めるしかない。
コミケが徹夜を認めない、深夜来場を認めないというのはあくまでコミケのルールであって、即売会普遍的なものではありません。
徹夜はコミケ系でもスペシャルの24耐で明示的に認めたことがありますし、深夜開催の即売会もあります。自分が主催した「白と黒の花祭」では会場のOKがもらえたので深夜来場をOKしました。*1
で、現状のコミケでどうやったら深夜来場をOKできるだけのリソースを確保できるか?OKって言い放ったら今以上の人数が集まるのは容易に予想できて、そんな場所どこにもありゃしません!
超大量頒布の話
今回も比村乳業さんがやってのけたようです。
30分で1.2k人とすると、1時間で4k人。完売まで2h12mってことは直接かけるとざっくり1万部弱を搬入したということで、本当にお疲れ様でした。
これだけの超大量超高速頒布を実現するには、以下の問題があります。
- それだけのモノを作るというリスク。1万部となると印刷費自体が100万円コースです。
- スタッフの練度。通常の即売会で求められる運用とは異なるということは、即売会に限られない練度が必要です。
- スペースの問題。こういう頒布体制が可能なスペースって、コミケシャッター側でも限られるのでは……?
ただ、2h12mで1万部って数字に比村乳業さんのこのオペレーションが必要か?というと、実は疑問もあります。上海アリスあたりのThe超大手が叩き出す頒布速度って、これに近いのではないでしょうか?
上記Togetterでも分かる通り、比村乳業さんは「1レーンで」この頒布速度を叩き出しました。一方、超大手は2SPとか使って*24レーン確保してこの頒布速度を叩き出します。ということは、実際に頒布の最先端でモノを渡す売り子さんの人数という意味では比村乳業さんのやり方はとても効率的です。
比村乳業さんの超高速頒布、同人スペースの超大手にとって学べることはそう多くはなさそうですが、その次ランクの最大手サークルに限れば学べることがあるのではないでしょうか。あと、企業の一部にはこの手の手口を取り入れたほうがいい企業がありそうな予感……
それと同時に、比村乳業さんのこのシステムは(超大手よそでも同じ議論ですが)1限を強制するということで、大量に欲しい人がループを強いられるという問題があります。
「自分の欲しいモノを買う」であればループは本来不要なはずですが、例えばコミケスタッフのように場に貢献するために持ち場を離れられない人もいますし、社畜やっててコミケに来られない人だっているでしょう。そういう人たちにどうやって作品へのアクセスを確保するか?
サークル側のリスクとかも分かるので強要は誰にもできないのを承知の上で、やっぱり「売り切れる」って申し訳ないですし、できれば売り切れない部数を用意したいんですが、まあ物理的に難しい局面だってあるんですよね。
例えばコミケスタッフを含む大規模共同購入集団のようなグループに対しては、大部数限定での事前取り置き&まとめ頒布なんて形をやってもいいのかなー、と思うところではあります。十分早い時期に決済を要求すれば、それこそ事前にその分部数増やせますしね!